川崎二郎からのメッセージ

災害時通信手段確保のための調査議員連盟「緊急提言を片山総務大臣に申し入れ」

東北地方太平洋地震での通信手段確保の重要性を痛感し、我が党といたしまして6月15日に「災害時通信手段確保のための調査議員連盟」を立ち上げ、私が会長に就任しいたしました。発足後1ヶ月の間に、関係省庁・有識者・通信会社・電器メーカー等からヒアリングを行い、様々な意見を頂きました。

その際の議論を踏まえ、緊急提言をまとめ「災害時通信手段確保のための調査議員連盟」といたしまして、政府に対しましては片山総務大臣へ、我が党といたしまして石破政調会長宛に下記の申し入れを致しました。引き続き諸問題の解決に向け、取り組んでまいります。

災害時通信手段確保のための調査議員連盟
会長 川崎二郎

平成23年7月26日
総務大臣
片山善博殿
自由民主党災害時通信手段確保のための調査議員連盟
会長 川崎 二郎
災害時における通信手段の確保に向けた緊急提言
 平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋地震では、携帯電話、インターネットなどの通信、ワンセグ・ラジオなどの放送が、救命・救急を求める手段、家族への安否確認手段、安全の確保や支援活動ための情報手段として大きな役割を果たし、まさに国民の命綱となった。
 しかし、一方で、被災地のみならず首都圏など広範囲で、携帯電話をはじめとした通信機器が、処理能力を大幅に超える通話の集中、停電や中継基地の損壊などによって、長時間にわたって、利用できない、または利用しづらい状態が続き、様々な支障、混乱を招いたことも事実である。
 自由民主党は、東海地震、首都直下地震などの発生が切迫している状態にあるわが国において、今回の大震災での通信手段に関する様々な教訓を、今後の防災、減災対策に生かしていくことは、国民の安全・安心、日本経済の混乱防止にとって、喫緊の課題であると認識している。
 このため、わが党は、本年6月15日に「災害時通信手段確保のための調査議員連盟」を発足し、7月24日のアナログ放送の停波(被災地3県を除く)による、地上デジタル放送への移行時期を視野に置き、発足後約1ヶ月の間に、関係省庁、通信事業者などから4回にわたるヒアリング調査を行うなど議論を重ねてきた。
 この時期に本議員連盟で集中的な検討を行った背景には、アナログ放送の停波により周波数帯に余裕が生じることにある。すなわち、国において、この周波数帯を平時だけでなく、災害発生などの緊急時にも有効に利用で着るようこの数年の間に集中的な検討を行い、果敢に政策を実行していくことが重要と考えるためである。
 また、国は、上記の周波数帯の戦略的な利活用だけでなく、災害時における通信手段の信頼性確保並びに多様な通信手段の開拓のための先進的な技術開発の実現に向けて、必要な措置を講じていく必要がある。さらに、今回の地震による大規模な停電により国民生活に支障をきたしただけでなく、通信網の混乱を引き起こした。これを反省材料として、国は緊急時には自家発電などの地域分散型の電力供給システムを普及するなどの措置を講じるべきである。
 以上を踏まえ、「災害時通信手段確保のための調査議員連盟」ではこれまでの調査、検討を踏まえ、ここに、以下の緊急提言を取りまとめた。
 政府に対し、国と自治体そして産学官の連携のもと、本緊急提言を早期に実現するよう求めるものである。
1.ネットワークのリダンダンシー、多様化、通信捌き力の強化
災害時においても、通信サービスの継続的かつ安定的な提供を確保する観点から、電話網・携帯電話網のリダンダンシー(補完性)、衛星回線や無線LANなどの多様な選択性のあるネットワークの整備、大量の通信量の発生によっても輻輳の生じにくいネットワークの実現等に取り組むこと。
2.電線類地中化の計画的推進
津波対策、地震による電柱の倒壊などを防止する観点から、電線共同溝などの整備により、電線類の地中化の完成目標年次をエリアごとに定め、計画的かつ迅速に推進すること。
3.防災拠点における非常用通信手段(衛星携帯電話等)の事前整備
 上述のように、受信機・チューナーが不足しており、また、購入契約をしたものの一ヶ月以上納品を待たされるケースが続出しており、商品の確保に業界ともに全力を挙げること。
4.自営通信のデジタル化・周波数共用化など電波の効率的利用の促進
地上デジタル放送への移行による周波数帯の割り当ての見直しを活用し、今後の災害時での通信の確保や多様な無線システムの利用を可能とするため、警察、消防等の公共機関が利用する自営通信システムのデジタル化や周波数共用化など電波の効率的な利用を促進すること。
5.データセンター等の地域分散化
現在、デー夕センターやインタ一ネットの相互接続ポイントは、首都圏に集中しているが、首都圏で大規模災害等が発生した際にもインターネットが機能するよう、データセンターの地域分散化などに取り組むこと。
6.クラウドサービスの信頼性向上(自治体・企業への普及や国外からの利用促進)
自治体や企業における重要情報の保全や継続的な業務運営を確保する観点からクラウドサービスは有効である。クラウドサービスの自治体や企業への普及、更に国外からの利用を促進するため、クラウドサ-ビスが被災した場合でも、その機能を維持、代替できるように信頼性向上に取り組むこと。
7.長時間停電に備えた電源の安定的確保(バッテリーの長時間化等)
長時間の停電が発生した際にも、サービスの提供や利用を継続できるように、中継局・基地局等のバッテリー、携帯電話自体のバッテリーの長時間化、家庭などの自家発電、早期の復旧のための移動電源車の増強や、防災拠点における非常用電源設備の配備など、電源の安定的確保に取り組むこと。
8.迅速・効果的な情報提供のための様々な情報通信システムの活用
緊急情報(地震・津波情報等)、通信設備の被災・復旧情報、生活情報など、災害時には、多種多様な情報が必要となるため、携帯電話の一斉同報型メールや無線LANの活用など、様々な情報通信システムを活用して、迅速かつ効果的な情報提供に取り組むこと。
なお、従来の自治体防災無線による情報伝達は、住宅の空調や騒音対策による気密性・遮蔽性により伝わりづらい場合や、高齢者や障がい者など聴覚が不自由な方々に対しての確実な伝達手段となりえない場合があるので、今後は自治体ごとのラジオ放送の整備などの迅速かつ確実な情報提供システムを構築していくこと。
9.災害関連情報の集約・一元化
行政機関等から提供される情報の項目・書式等の標準化等を図るとともに、これら行政機関等からの情報や複数のインターネットサイト上の情報を集約・一元化し、利用者に情報提供できる災害情報プラットフォームの構築に取り組むこと。
10. 東日本大震災では、民間やNPOが主導し、災害用アプリケーションを作成しインターネットサイト上に公開した。このサイトに被災者などから安否情報、避難状況、物資不足についての情報が寄せられ、これが救出活動、支援活動に生かされた。また、帰宅困難者間でのTwitterでの情報共有も有効であった。今後とも民間、NPOなどによるこうした信頼性の高いサイトが設けられる環境を整備するとともに、それぞれの地域の地域防災計画などを反映した公的機関による同種の取り組みが促進するよう、必要な措置を講じること。
11.国における技術開発や基盤整備の支援
上記の施策を円滑に遂行するため国は民間主導で行われる技術開発や基盤整備に対し、補助および税制上の支援を行うこと。

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