緊急レポート

〜第10号〜

「雇用を考え生活を守る」


連日暑い日が続いておりますが皆さん元気でお過ごしでしょうか。私は、座長を務めた「鳥由来新型インフルエンザプロジェクトチーム」もようやく対策案を政府に提出することができ、また4月から派遣問題を取り扱う「与党新雇用対策に関するプロジェクトチーム」を発足させ「派遣問題」を解消するため働いております。

与党新雇用対策プロジェクトチームにて座長挨拶
(左:公明党福島副座長 右:長勢雇用生活調査会長)
アメリカ経済低迷の余波が確実に日本に近づいています。今までもご報告してきましたが「雇用の情勢」は日本と地域の経済動向を踏まえるうえで一番わかりや すく、事実アメリカからの原油高、サブプライムローンの影響がデータにも表れ始めております。下に記しますが、好調を維持してきた三重県の雇用も全国的には高いとはゆえ、陰りが見え始めております。党内で雇用問題全体を預かる責任者として、この原因を分析しながら経済的影響をうける各業界の意見をふまえ対処していきたいと思います。さて12号の今回は一面に三重県の雇用情勢の分析、二面に私が座長を務める「与党新雇用対策プロジェクトチーム」のご報告をさせて頂きます。

三重県の雇用失業情勢
1, 完全失業率の推移
 
三重県の完全失業率は平成17年が3.1%、平成18年が2.7%と、平成19年が2.5%と全国の完全失業率を大きく下回っている。
 

平成17年
平均
平成18年
平均
平成19年
平均
平成19年
10〜12月
平成20年
1〜3月
平成20年
5月
三重県 3.5 2.7 2.5 2.3 2.7 -
全国 4.4 4.1 3.9 3.7 4.0 4.0
   
2, 有効求人倍率の推移
 
平成20年4月の三重県の有効求人倍率は、1.21倍と前月に比べ0.01ポイント低下。
 

平成17年
平均
平成18年
平均
平成19年
平均
平成20年
3月
平成20年
4月
平成20年
5月
三重県 1.37 1.42 1.40 1.28 1.22 1.21
全国 0.95 1.06 1.04 0.95 0.93 0.92
   
3, 公共職業安定所別有効求人倍率(平成20年5月)
 
三重県全体は全国で第6位タイの高水準である。しかし、一時期2倍台までせまっていた中勢・北勢地域もポイントを減らし、伊賀は1.0を割り込んだ。この状況は建設業全体のおちこみ、そして派遣業の適法化からの反動と分析できる。
 
三重県 1.21

 
中勢地域
1.41
松坂 1.03
地域平均 1.22

北勢地域
桑名 1.17
四日市 1.17
鈴鹿 1.05
地域平均 1.13

伊賀地域
伊賀 0.86
地域平均 0.86

南勢地域
伊勢 0.85
地域平均 0.85

 
東紀州地域
尾鷲 0.78
熊野 0.65
地域平均 0.71


「川崎二郎が派遣問題に着手」
「与党新雇用対策に関するプロジェクトチーム発足」


バブル崩壊による不況から脱出し、景気回復が続いていた矢先、投機筋による「原油高」、収支バランスを無視し、一種の金融商品化した「サブプライムローン」問題など、直接関係しない形での不況が序々に日本経済に悪影響を与えるにいたっています。事実、アメリカはこの「サブプライムローン」問題で1927年の世界恐慌以来、約80年ぶりとなる一般企業に対する公的資金の投入を決めました。また、この7月15日には財務長官が米政府系住宅金融会社の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)に対する支援を発表し、大幅な株価下落は免れましたが、この2社が抱える不良債権は500兆円以上ともいわれ、日本のバブル不況以上の打撃が長期に渉ると懸念されます。

いざなぎ以来の景気回復と言われる期間、私の持論である「ひたいに汗する人がむくわれる社会づくり」の為、「子育て女性の社会進出支援」「より良い職場環境整備」など様々な政策を盛り込み、多くの法律を制定してきました。私が厚生労働大臣であった平成18年1月の日本経団連・柴田副会長による年頭所感での「まじめにこつこつ働く人にこれから給与面でむくいる」という言葉を聞いたとき、今まで主張し続けてきたことがようやく企業側につたわりバックアップをもらえたと喜んでいました。しかしベースアップは一部大企業にとどまりました。事実サラリーマンの平均年収はピークの平成9年に比べ約30万下がっています。このことはパート派遣社員の増加、また下請けへの過剰なコストカットからくる中小企業社員の給与の低下などが要因になっていると分析できます。「適正な価格でモノを売り、従業員の賃金が上昇し、その従業員がまたモノを買う」。私は安定した職のもと物価と賃金が自然な形で上昇していき、国内の内需が喚起され、日本経済の体力が強まることが冒頭にも述べた投機的な不況にも耐えうる経済をつくると考えております。

この様な考えと刻々変化する経済にスピーディーに対処する為に、座長として「与党新雇用対策に関するプロジェクトチーム」を立ち上げるにいたりました。
プロジェクトチームでは、昨今問題となっている「派遣労働問題」を主に取り扱っていきます。

派遣社員は平成12年の33万人から平成19年には133万人へと増加をし、この中では30代~40代前半の労働者が多くを占めると言われています。20代の労働者においては、景気の回復に伴い「常用の雇用」へと改善がなされてきました。しかし依然として、30代~40代前半の労働者は「常用の雇用」への意欲があるにもかかわらず、多くが「日雇い・登録型派遣」に甘んじております。この世代は卒業が就職難の時期に重なり、職が得やすい「派遣労働者」として働きその間、「教育訓練・能力開発」(派遣法では派遣元事業主・派遣先の責任とされている)がほどこされず、また短期間の就業であるために正社員への登用もなされないことから不安定な労働者として長期間存在しています。

プロジェクトチームでは、これらを考慮し、「日雇い派遣」については通訳など専門性の高い特定26業種を除き原則禁止の方針を打ち出しました。また、派遣会社が受け取る手数料の利率公開の義務化や同一企業グループ内を派遣先とするいわゆる「専ら派遣」の規制などの見直しを検討しているところであります。そして上記のような意欲ある労働者のため「トライアル雇用」を活用した中小企業等とのマッチングの促進、「ジョブカード」制度の整備・充実策つき参加・協力企業への支援措置等を図っているところであります。

また、原材料価格の高騰に伴い多くの企業、特に中小零細企業の経営環境は一層厳しくなりつつあります。多くの中小零細事業主の方をお会いしてみても従業員の雇用を維持するためぎりぎりの努力をしていることはよくお聞きするところであります。今後、雇用と経営の調和を実現するためには事業主の雇用維持努力を奨励しつつ派遣労働の問題に対処していきたいと思います。




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